ながさき漫歩

 
                  第三回  大浦天主堂


 電停「石橋」にて下車し、橋を渡り少し歩くと右側に上る道がある。
ゆるやかな石畳の坂道を5分ほど歩くと、清楚な白亜の教会が見えてくる。



2001(平成13)年に補修工事を終え、ひときわ美しさを増した大浦天主堂(国宝)である。
安政の開国後、フランスのパリ外国宣教会が創建したカトリック教会で、1864(元治元)年、
プティジャン神父のときに完成した。開国後、各国と締結された通商条約では、日本人に対する禁教は維持するものの、外国人が居留地内に礼拝堂を造ることについては認めていた。
 この天主堂は、1596(慶長元)年に殉教した26聖人に献じられたもので、西坂殉教地のほうを向いて建てられ、正式には日本二十六聖殉教者天主堂といい、地元ではフランス寺と呼ばれていた。
現存する日本最古の教会であり、洋風建築では唯一、しかももっとも新しく製作された国宝である。
施工したのは、グラバー住宅や、オルト住宅を手がけた小山秀ノ進(こやまひでのしん)で、洋風建築でありながら、日本的な手法も取り入れられている。
美しいステンドグラスをもつゴシック式本造建築で、明治初期にプワリエ神父によって増築され、創建当時の外見と大きく異なるものとなった。なお、内部は創建時のままであり、ステンドグラスやリブ・ヴォールトなど、ヨーロッパの建築技術が残されている稀有な建造物である。



                               (山川出版社「長崎県の歴史散歩」より)


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